尿意に不満がある人は前立腺を要チェック

男性特有の臓器である前立腺ですが、近年特に注目されている病気があります。それは前立腺がん、前立腺肥大症です。
日本において、前立腺がんは急増していると言われています。約15年程前までは前立腺がんの認知度、罹患率は低く、60、70歳代を中心にかかる高齢者特有のがんとされていました。しかし最近では、40、50歳代の人でも前立腺がんに罹患する人が増えてきています。
前立腺がん罹患者の増加に伴い、前立腺の検診は各市町村でも積極的に行われるようになってきました。前立腺の検査には血液検査(PSA)、直腸診(触診)があります。検査料金は実費で、血液検査(PSA)は2000円~3000円程度、直腸診(触診)は1000円程度となります。
血液検査(PSA)の採血は5cc~7cc程度と少量です。直腸診(触診)では、医師が指を挿入する時の違和感がありますが、それほど強い刺激ではありません。検査時間は、1~2分程度であり、体への負担は軽いと言えます。
検査方法は、血液検査(PSA)では、血液中に前立腺から分泌されたPSAタンパクという物質がどれだけ存在するかを測定します。健常者の場合、血液中にPSAが存在することはほとんどありません。しかし、前立腺がん、前立腺肥大症の疾患がある場合は血液中のPSA濃度が高くなります。検査にてPSA濃度が高いと診断されれば、精密検査を受診することになります。
直腸診(触診)は、医師が肛門に指を挿入して行う検査です。原始的な検査に感じるかもしれませんが、病変を見つけやすく、有用性の高い検査となります。前立腺肥大以外に、直腸がんや直腸ポリープ、痔などの診断にも有効です。
前立腺がんになる可能性が高い人の特長として、「家族の罹患歴」が挙げられます。家族の中で前立腺がんと診断された人がいる場合は、早期発見のために40歳からPSA検査を受けることが勧められています。前立腺がんは症状が出ても、気づきにくいものです。定期的に、血液検査(PSA)を受診することをお勧めします。
前立腺がんは進行が遅い特長があり、発症してから、がんと診断されるまでに、数年かかる場合もあります。また、他のがんにくらべ、薬が効きやすいという特徴があります。PSAの値が低い場合は、3年に1回の定期検査で良いとされていますが、早期発見、早期治療を目指すのであれば、毎年受診するのが、ベストだと言えます。
前立腺肥大症については、命を脅かすような病気ではありません。しかし、肥大によって膀胱が圧迫されて、上手く排尿できないことや、残尿感が現われることがあります。在宅時は、自由にトイレを使えばいいので、排尿の心配をする必要はありませんが、外出時には、排尿の心配ばかりすることになり、出かける事がおっくうになるなど、生活の質の低下を招くことになります。
前立腺検診で発見された前立腺がんのうち、約60%が早期がんという結果がありますが、ここからも前立腺の検診は非常に有益だという事が分かります。