眼に頼っている生活だからこそ、眼圧チェックは忘れずに!

人にとって眼は、すべての情報を取り込む為に欠かせない、重要な器官です。眼が見えなくなることは、その人の人生を大きく変えてしまう可能性がありますから、眼のチェックは定期的に行うことが大切です。
眼の検査には、眼圧検査を行います。眼圧とは、眼にかかる圧力です。この圧力を計測する事で、眼病の可能性を調べます。検査料金は実費で800円~1500円程度になります。検査方法は、眼圧検査機に顔を置いて、眼を開けた状態で眼球に風を当てて検査します。数秒間、眼を開け続ける必要があり、風圧が怖くて目を閉じてしまう人も多いのですが、検査自体は一瞬で終わります。
眼圧の正常な値は、5~20mmHgとなっています。人間ドックや健康診断、通院受診時では、正常値の基準に若干の違いがありますが、それでも21mmHgを超える値を示す人は、眼圧が異常値であると評価されます。この場合は、精密検査で眼に病気が無いかを調べることになります。
高眼圧は、眼に強い圧力がかかっていて、眼がパンパンに張った状態です。眼が常に緊張状態であると、眼内の血流を阻害しやすく、緑内障などの重大な病気を引き起こす可能性がある為、眼圧の高さをチェックすることは、病気発見のきっかけになります。
眼の病気は沢山ありますが、特に症状が重い病気には、緑内障、網膜剥離、黄斑変性症などがあります。
緑内障は、眼圧が高いことで眼の視神経の血流が阻害され、視野欠損や視力低下が起こります。一度欠損した視野は治療で修復することができない為、そのまま放置すると失明します。日本での緑内障の発生世代は40代頃で、若年化しており患者は増加傾向にあります。
網膜剥離とは、網膜から神経網膜が剥がれることを言います。視力が低下します。網膜の部位はピンポン玉で考えると判りやすいと思います。どこか一か所にしるしを付けた所を角膜とします。その真裏が網膜です。網膜は、カメラでいうとフィルムに例えられることが多く、眼で見た映像を神経信号に変換し、脳中枢へ伝達する役割を持っています。
網膜剥離は、特に痛みを感じない為、発見が遅れることも多く、ひどい場合は失明の恐れがあります。
網膜剥離の前兆には、飛蚊症(黒い糸くずの様なものが沢山見える)や、光視症(眼に光が当たっていないのにまぶしく感じる)の様な症状がでる場合があります。
黄斑変性症は、アメリカで失明率が1位と言われている病気で、日本でも患者数が増えています。症状は、ものがゆがんで見えたり、中心部がぼやけたり、視界が狭くなります。この病気は、眼球内に作られた新たな血管が破れることにより出血し、視神経にダメージを与えます。出血を繰り返すことで、視力が低下し続け、放置しておくと失明の可能性があります。発病の理由には、生活環境や食生活の欧米化などが指摘されています。
眼の病は、糖尿病とも密接に関係があり、糖尿病による網膜剥離などもあります。また、高眼圧でなくても、緑内障などの病気を発病することがありますので、眼圧が低いから大丈夫というものではありません。
眼は他の臓器に比べて、健康診断を受ける機会の少ない器官であり、他の臓器の影響を受けて発病する場合も多くありますから、定期的な眼圧検査は是非受診するほうが良いと思います。

動脈硬化を知ることで、メタボリックシンドロームを回避できる

動脈は、全身に酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を果たしている血管です。動脈は加齢とともに老化し、血管の弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にいろんな物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが悪くなる状態を動脈硬化といいます。
自分の動脈の硬さを調べるにはPWV検査を行います。PWV検査は、仰向けになった状態で、上肢、下肢の血圧を測定して四肢の血管の詰まり、動脈の硬さ(血管年齢)を調べます。検査料金は実費負担で1500円~3000円程度となります。横たわっての血圧検査というだけですので、苦痛もなく検査時間は5分程度です。
動脈硬化の危険因子には、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、ストレス、遺伝素因などがあります。そして、これらの危険因子は密接な関係にあり、因子が増えれば増えるほど雪ダルマ式に動脈硬化が進む危険性が高まります。治療や予防には、これらの危険因子を減らすことで、動脈硬化の進みを遅らせることができます。
メタボリックシンドロームは、直訳すると「代謝異常症候群」となります。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか二つ以上を併せ持った状態のことを言います。
動脈硬化とメタボリックシンドロームにも密接な関係があり、メタボリックシンドロームの人は動脈硬化が進むと言われています。しかしながら、メタボリックシンドロームに該当しなくとも、動脈硬化は加齢により進みます。
ですので、PWV検査を定期的に行い動脈硬化の進み具合をチェックすることが望ましいと思います。
動脈硬化は全身の動脈で起こります。とくに起こりやすい部位に脳があります。脳の血管の血流障害を総称して「脳卒中」といいます。めまい、頭痛、耳鳴り、記憶力の低下、短気、痴呆の症状が出やすく、完全に血流が途絶えると脳梗塞に、血管が破れて出血すると脳出血になります。
次に起こりやすい部分が、心臓上にある冠動脈です。動脈硬化によって心臓の血流量が減るため、運動時に胸痛や息苦しさを感じるようになります。これが狭心症です。さらに冠動脈が血栓で完全に詰まった状態になった場合を心筋梗塞といいます。
三つ目に起こりやすい部分が、胸部、腹部の大動脈で、動脈硬化によ大動脈の一部がふくれてこぶのようになったものを大動脈瘤といいます。瘤が破裂して大出血を起こすと、死亡することがあります。
メタボリックシンドロームで無いから、動脈硬化は進んでいないだろう考えるのは、危険だと感じます。直接PWV検査で動脈硬化を確認することが、予防や治療に大いに役に立ちます。身体に負担の無い検査ですし、検査費用もそれほど高額ではないので、人間ドックや健康診断に組み込めば、バランスのとれた健康チェックができると思います。
PWV検査をすることは、メタボリックシンドロームにならない体作りの指針になり、いつまでも内面、外見共に健康的な体でいることが可能になると思います。

心不全が心配なら、血液検査で現状把握できる

心臓は24時間休まず働き続ける臓器ですから、その負担は大きいです。心臓の病気には、心臓の形状自体に異常がある場合と、心機能が低下する心不全があります。心臓の病気は突然死のリスクも高いですから、心臓の検査を定期的に受けることは大切です。
心臓の形状の異常などの発見には、心臓超音波検査が有効ですが、心臓の機能が正常であるかを調べる為には、血液検査(NT-proBNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント)を受診するのが良いでしょう。検査料金は実費で1500円~3000円程度で、5ml程度の採血で検査が可能です。
BNPとは心臓に負荷が加わったときに心臓から分泌されるホルモンです。心不全があったり、不整脈があったりすると高い値を示します。正常範囲は40以下ですが、心不全があるときには数百という大きな値になります。
心不全は、心臓そのものの働きが低下することであり、急に心機能が低下する「急性心不全」と機能低下が徐々に進行する「慢性心不全」の二種類に分けられます。心臓は、肺から送り込まれた酸素を含んだ血液を全身に送り出し、酸素と二酸化炭素を交換して戻された血液を集めるというポンプの働きをしています。
心不全に陥ると、疲労感やめまいなどの症状が出て、病状が進行すると肺にうっ血を起こしやすくなり、寝ている間に息苦しさを感じて咳を繰り返す「心臓喘息」などの症状が現れ、命に関わる場合があります。
上記の分泌されるホルモンは、心臓の働きが悪いときに高くなりますが、血圧が高いときや、不整脈があるとき、水分を摂りすぎたときなどでも高くなります。よって、高い値の結果が出た時には、原因が何であるかを見つける事が、最優先だという事になります。その原因に応じた治療を速やかに始める事で、生命の予後は大きく変わると言えます。
心臓病は他の臓器に比べて、難易度の高い治療であることは明らかです。昔なら、心臓を外科手術で治す場合には、心臓の動きを一度止める必要があり、手術を行えたとしても、再び心臓が動く保証がなかったのです。その為、リスクの高い外科治療より、薬物などの内科治療が進歩していました。
しかし20世紀に入り人工心肺装置が開発されたことで、心臓外科手術が目覚ましく発達しました。人工心肺装置が心臓と肺の役割をし、全身に新鮮な酸素を含む血液を循環し続けられることで、心臓を一時的に停止し、安全な状態で手術を行える様になりました。
近頃では、心臓の病気であっても、十分に治る病気になってきました。それでも、未然に発見できる病気ならば、早く発見できることが望ましいと思います。早く発見できることは、治療の選択肢を広げますから、自分の生活の質を下げる事なく治療することも可能です。
血液検査(NT-proBNP)を受診することで、比較的安価であり、簡単で安全に、隠れた病気を見つけられる可能性があります。人間ドックや健康診断の機会に是非一緒に検査されるのをおすすめします。

24時間動き続ける心臓だからこそ、チェックしておこう!

心臓は止まることなく毎日働き続けています。他の臓器と違い、故障したからといって止まることは、死を意味します。だからこそ、定期的な検診は大切になります。
心臓をチェックするのに有益な検査が、心臓超音波検査(心エコー)です。人間ドックなどの実費負担の場合、料金は8000円~10000円程度です。検査時間は20分~30分程度です。検査を受けるに当たって、事前の食事制限などの制約はありません。
左側を下にして横たわった状態で検査が行われます。胸に検査用のジェルを塗って、プローブと呼ばれる超音波発信機(マウスぐらいの大きさ)を当てるだけですので、痛みなどはありません。正確に心臓を観察する為に、検査技師の指示に従って、息を止めたり吐いたりしながら検査を受けます。同時に心電図をとる為、前胸部や手首と足首に電極をとりつけます。
検査の仕組みは、高周波数の超音波を心臓に発信し、返ってくるエコー(反射波)で心臓の様子を画像に映し出して診断するというものです。エックス線検査の様に放射線による被曝の心配がないので、妊婦や幼児の方でも安心して受診できます。
超音波検査での異常とはどのようなものか?心臓の形が大きかったり、動きが悪かったり、血液の逆流があった場合などです。状態によって、経過を観察する、胸部エックス線検査、心電図検査、心臓カテーテル検査などのさらに詳しい検査を行います。
心臓超音波検査で分かる事は、心臓の大きさです。心臓の形が大きくなる場合、一般的には心臓が弱っていることが多く、大きさを確認することは非常に重要です。
その他に、弁逆流を見つけることができます。心臓弁は、血液が流れるたびに開け閉めされる蛇口の様な仕組みになっており、規則正しく動いています。超音波では、血液の流れる方向や速度が分かる為、異常があれば発見されます。
弁狭窄は、弁が硬化することで起こります。加齢によって狭窄が進むことが多い病気です。狭くなった部位では、血液の流れが急激に早くなるので、血液の速度を測れば弁狭窄であるかが分かります。
さらに、心房中核欠損症や心室中隔欠損症などを発見することができます。これは、生まれつき心臓壁に孔が開いている先天性疾患ですが、幼児期にはあまり症状に表われないことや、大きな障害にならず、成人するまで発見されないこともあります。超音波検査では、血流の異常で発見することができます。
普段の生活で、特に異常を感じなければ、人間ドックや健康診断で、心臓超音波検査を受診しようと考える人は少ないかもしれません。しかし、息切れなどの症状があっても、体が慣れてしまって気付かない場合もあり、その様な状態を放置しておくと、病状が進んでしまう事もあります。
心臓超音波検査では、心臓肥大や心拡大、拡張型/肥大型心筋症、弁膜症、心筋梗塞などを発見することが可能です。定期的に心臓超音波検査を受診することによって、心筋梗塞が起こる可能性を捉えられることは、突然の発病を未然に防ぐことができますから、とても価値のある検査と言えます。
心疾患は、「がん」に次いで死因第2位を占めています。突然の心臓停止は死に直結しますから、定期的に心臓超音波検査をすることは、健康な生活を維持する為に大いに役立つと言えます。