喀痰で肺がん細胞を見つけられる!

喀痰の検査の目的は、細胞を診断することで肺がんを見つけるのと同時に、細菌検査、とくに結核菌検出などの病変が無いかを見つける事です。
肺がんの細胞は、気管上皮から発生し、一部細胞が剥がれて痰の中に混じります。それを染色して顕微鏡で調べます。検査方法は2〜3日にわたって毎朝、指定の容器に痰を採取して調べます。2、3日採取するのは、これは1回の採取でがん細胞をつかまえられる確率が、3分の1から2分の1であるためです。
がんがどこで発見されやすいかというと、肺の中心部にある肺門のがんで80%、末梢の肺部にあるがんで50%です。エックス線撮影で発見されなかったが、喀痰で発見されたとするがんは全体の30%ほどあります。
タバコを多くすう人や血痰のあった50歳以上の人の喀痰によるがんの発見率は500〜1000人に1人と言われ、かなり多いものですから、喀痰検査の有益性が高いことがわかります。
喀痰検査は比較的簡単に検査でき、発見されるがんは早期がんが多いこともあり、胸部エックス線撮影と併用することで、肺がんや肺疾患を早期で見つけられる可能性が高まります。
日本の肺がん取扱規約では、喀痰の検査結果は、検体不良、陰性、擬陽性、陽性の4つで結果報告することになっていますが、集団健診はABCDE分類、がんに特化したパパニコロウ分類と、結果の表示が統一されていません。
パパニコロウ分類とは、すべての臓器のがんに対して統一された分類であり、近年では臓器ごとに細かく判定基準が用いられるようになっており、結果判定に用いられない傾向にあります。
検体不良は、痰が上手く採取できなかった場合で再検査となります。
陰性は、今回の検診では肺がんの細胞は見つからなかった為、ひとまず問題なしとなりますが、今後も定期検診を続けることが大切です。中には、擬陽性にまで至らないが、中度の異形扁平上皮がある場合もあり、6カ月~1年間隔で定期的に検査を受ける必要があります。
擬陽性は、高度の異形扁平上皮がある場合に、要精密検査となります。喀痰だけでは、診断が不十分という場合です。
陽性は、はっきりとがん細胞の存在が確認される場合であり、要精密検査、要治療となります。
2017年の全国たばこ喫煙者率調査の結果では、推定1917万人となっています。この人数は、前年と比較して110万人減少しています。過去には2000万人を超えていた喫煙者ですが、近年では健康への意識が高まり将来的にも大きく減少するものと思われます。
喀痰の検診の検査料金は、医療機関受診で2000円前後となります。その他に、在宅で検査し郵送によって診断結果が来る検査キットでは、4000円~5000円となります。
肺がんの検診として、喀痰だけでは不十分ではありますが、エックス線撮影が行えない身体の人(妊婦など)においては、肺についての検診を行わないという選択よりも、喀痰だけでも受診しておけば、一定の肺の状態が把握できますから、有益な検査と言えます。