痔も大腸ポリープも悪化する前に検診が大切!

人間ドックや健康診断で行われる、大腸に対する検診内容は、便潜血検査になります。便潜血検査は1日又は2日分の便を採取して行う検査です。受診する本人が検査用のキットを用いてトイレで採取し病院に提出します。
検査方法は、便に含まれる血液を検出した場合に陽性とし、精密検査をすべきかどうかのスクリーニング検査(ふるい分けの検査)となります。
検査費用は1,000円~2,000円程度となります。各自治体や健康保険組合での補助を受けると、0円~500円程度で受診も可能ですので、問い合わせてみましょう。
さて、便潜血検査はスクリーニング検査(ふるい分け検査)と言いましたが、どれほどの精度だと思いますか?進行大腸がんがあったとしても、その約30%は陰性となります。一方で検査陽性の結果が出た人でも、必ずしも大腸にポリープやがんが存在するわけではありません。陽性の人の約30%~40%は検査をしても大腸に病変は無いという結果があります。
つまりは、大腸がんの便潜血検査は簡便で楽ですが、精度は決して高くないという事です。
潜血反応は、がんやポリープがあった場合以外に、痔や、生理、口の出血などでも陽性反応が出る場合があります。口の出血で起こる血液までをも検出してしまうという事で、ちょっとしたことでも陽性になりうるのです。
その様なこともあり、便潜血検査の陽性反応を軽視する人も多いようですが、特に調子が悪くないからと、勝手な自己判断で精密検査を受診しないのは危険です。
健診の対象は40歳以上となっています。これは、大腸がんの罹患率、死亡率は40歳から増加しはじめ50歳を超えて急増することが分かっているからです。大腸がんの危険因子は、野菜不足・高脂肪の食事、過度の飲酒、肥満、運動不足などが挙げられます。
昔の日本人は穀物を中心とした食生活だったことも影響して、欧米人に比べて腸が2~3m長いと言われます。その長さに比例して、腸に腫瘍などができるリスクも高くなっている訳です。
大腸がんは胃がんと違い、進行がそれほど早くなく、進行性のがんであっても病変を取りきれれば、そのほとんどが治癒できることから、治癒率の高いがんだと言えます。
便潜血検査で陽性になった場合は、大腸エックス線検査もしくは大腸内視鏡検査を受ける事になります。大腸の精密検査は胃部の精密検査と違い、事前の絶食と、服薬が多く(大腸を空っぽにするための液体を約2リットル飲む)、検査部位も長いので検査に時間がかかることから、大きな苦痛を伴います。
毎年便潜血検査を受けていれば、大腸の精密検査は2年に一度の間隔で良いと言われます。これは、大腸がんの進行具合が、それぐらいゆるやかという事です。明らかに何の病変も無い大腸が、一年後に大きく進行したがんが存在するという事は、まず無いという事だそうです。
早期に発見できれば多くは治癒が可能な大腸がんですから、40歳を過ぎたら毎年、大腸がん検診(便潜血検査)を行うことをお勧めします。厚生労働省による研究によれば、大腸がん検診は、胃がん、肺がん検診と比べても死亡率の減少が明らかという、有効性の高い検診ですから、簡単で楽に受診できる便潜血検査は、積極的に受診するのが良いと思います。