血液検査でピロリ菌もわかってしまう!

ピロリ菌という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。ピロリ菌が慢性胃炎を始め、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを発生させる可能性の高い細菌であることから、近年ではこの細菌の有無を調べることに注目が集まっています。
正確な名称は、ヘリコバクターピロリ菌と呼ばれ、人間などの胃に生息する細菌です。ピロリ菌の歴史はそれほど長くなく、1983年に発見された細菌です。
胃は胃液にある塩酸で守られており、その環境は強酸性であるため、以前は細菌が生息できないと考えられていましたが、ピロリ菌は胃酸を中和することができる為、胃への定着(感染)が可能なことが発見され、強酸性の胃であっても適応して生息する細菌がいることが明らかになりました。
ピロリ菌検査は、血液採取による方法で検査が可能です。その他には、尿採取、便採取、呼気採取(検査薬を服用した後に採取)などがあります。胃部内視鏡(胃カメラ)の検査と同時に、細胞を採取して検査する方法もあります。胃の不快感や病気を持つ人は特に、ピロリ菌の検査の検査を受診することをお勧めします。
ピロリ菌検査の方法により検査費用は異なりますが、血液採取による方法であれば、1000円~3000円程度になります。人間ドックなどのオプションで検査を追加する場合は、1000円程度で受診可能な医療機関もあります。
人間ドックで胃部エックス線撮影ではなく、胃カメラで検診を行った場合で、胃炎などの症状あればピロリ菌検査は保険適用での受診が可能となります。
ピロリ菌は日本人の罹患率が高く、50代以降では8割が感染しているとも言われています。飲み水、食べ物からの経口感染で幼児期に感染するとも言われており、高齢者の罹患率の高さは、戦後の衛生状態が起因しているのだろうと言われています。
ピロリ菌は胃がんや胃部の慢性疾患などを引き起こすだけでなく、大腸やその他の臓器にも影響する事が分かってきています。若年層ではピロリ菌の罹患率はそれほど高くないものの、経口感染で起こりうる細菌の為いつ罹患するかわかりません。定期的な検診でピロリ菌がいない事をチェックしておくのが良いと思います。
もし、ピロリ菌に罹患していたら、医師と相談して除菌を行いましょう。平成25年2月から胃・十二指腸潰瘍だけでなく慢性胃炎の場合にもピロリ菌の除菌が保険適応となっているので、負担は軽減されています。
除菌には、1週間、指定された抗生剤、制酸剤の計3剤を飲みます。その後、ピロリ菌の検査を行い、消滅していれば除菌完了となります。消滅していなければ、一部薬剤を変更してもう一週間服薬します。その後、ピロリ菌の検査を行うという流れになります。
1週間の服薬で90%の除菌率が報告されており、2週間では95%程度の成功率で一度除菌されるとまた再発は非常に少なく、罹患する可能性は1%程度と激減します。
ただし、除菌の服薬中は中途半端でやめたりすると、ピロリ菌が薬に対して耐性をもち、次に除菌しようと思っても薬が効かない場合があります。必ず医師の指示通りに薬を飲むことが重要です。