心不全が心配なら、血液検査で現状把握できる

心臓は24時間休まず働き続ける臓器ですから、その負担は大きいです。心臓の病気には、心臓の形状自体に異常がある場合と、心機能が低下する心不全があります。心臓の病気は突然死のリスクも高いですから、心臓の検査を定期的に受けることは大切です。
心臓の形状の異常などの発見には、心臓超音波検査が有効ですが、心臓の機能が正常であるかを調べる為には、血液検査(NT-proBNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント)を受診するのが良いでしょう。検査料金は実費で1500円~3000円程度で、5ml程度の採血で検査が可能です。
BNPとは心臓に負荷が加わったときに心臓から分泌されるホルモンです。心不全があったり、不整脈があったりすると高い値を示します。正常範囲は40以下ですが、心不全があるときには数百という大きな値になります。
心不全は、心臓そのものの働きが低下することであり、急に心機能が低下する「急性心不全」と機能低下が徐々に進行する「慢性心不全」の二種類に分けられます。心臓は、肺から送り込まれた酸素を含んだ血液を全身に送り出し、酸素と二酸化炭素を交換して戻された血液を集めるというポンプの働きをしています。
心不全に陥ると、疲労感やめまいなどの症状が出て、病状が進行すると肺にうっ血を起こしやすくなり、寝ている間に息苦しさを感じて咳を繰り返す「心臓喘息」などの症状が現れ、命に関わる場合があります。
上記の分泌されるホルモンは、心臓の働きが悪いときに高くなりますが、血圧が高いときや、不整脈があるとき、水分を摂りすぎたときなどでも高くなります。よって、高い値の結果が出た時には、原因が何であるかを見つける事が、最優先だという事になります。その原因に応じた治療を速やかに始める事で、生命の予後は大きく変わると言えます。
心臓病は他の臓器に比べて、難易度の高い治療であることは明らかです。昔なら、心臓を外科手術で治す場合には、心臓の動きを一度止める必要があり、手術を行えたとしても、再び心臓が動く保証がなかったのです。その為、リスクの高い外科治療より、薬物などの内科治療が進歩していました。
しかし20世紀に入り人工心肺装置が開発されたことで、心臓外科手術が目覚ましく発達しました。人工心肺装置が心臓と肺の役割をし、全身に新鮮な酸素を含む血液を循環し続けられることで、心臓を一時的に停止し、安全な状態で手術を行える様になりました。
近頃では、心臓の病気であっても、十分に治る病気になってきました。それでも、未然に発見できる病気ならば、早く発見できることが望ましいと思います。早く発見できることは、治療の選択肢を広げますから、自分の生活の質を下げる事なく治療することも可能です。
血液検査(NT-proBNP)を受診することで、比較的安価であり、簡単で安全に、隠れた病気を見つけられる可能性があります。人間ドックや健康診断の機会に是非一緒に検査されるのをおすすめします。