定期検診は、異常の早期発見、医療費の削減につながる

人間ドックの大きなメリットは、受診者の性別や年齢、体質などに応じてオプション検査を選べるところです。しかし、オプション検査の内容や、自分に何の検査が必要なのかを正確に判断できる受診者は、多くないと思います。
オプション検査を選ぶに当たっては、検診施設と相談して決めると、ムダがなく必要な検査を受ける事ができます。予約時に電話で相談するのが良いでしょう。フットワークの軽い検査施設であれば、血液検査や触診などの簡易な検査であれば、当日にオプション追加できるとこともあります。
人間ドックのオプション検査は、基本的に実費となる為、検査料金が高くなる傾向があります。自分の属する会社で実施する人間ドックや、健康診断を利用できるのであれば、そちらを利用する事で自分の負担する金額を減らすことができます。また、オプション検査の中には、コースやセットになっていて、料金が安く設定されているものもありますから、上手に利用すれば、安価で充実した検査を受けることができます。
自分で検診施設を選ぶ人の場合は、検診施設の選び方に注意しましょう。人気があるなどの理由だけでなく、自分の気になる部位や症状を専門としている施設を選ぶのが良いと思います。例えば乳房に不安がある人なら乳腺外科がある設備の充実した施設を、心臓に不安がある人は心臓外科の名医がいる施設、と言ったふうに自分の詳しく見てもらいたいところを中心に探すと、充実した検診が受けられるでしょう。
自分の希望する検査機関で受診すると、自分の健康に興味が湧いてくるものです。必要な検査を受診できて結果が良ければ、誰もが安堵します。でも、そこで終わらせないことが大切です。今日の健康を、明日からの生活にも繋げていくのが重要です。
再検査、要精密検査の人は、医師の指示どおりに検査しましょう。「例年再検査になるから大丈夫だろう」などという理屈はやめにしましょう。毎年再検査を受けて異常がなかったから、今年も異常がないとは限らないのです。
経過観察の人ならば、今すぐ治療する必要はありませんが、生活改善をして再検査を待つ状態です。再検査を受ける時期はいつ頃が良いかとか、生活習慣の改善方法などを医師に相談して、自分の健康状態が「異常なし!」となれば、「今回の定期検診は終了!」ということで良いと思います。
定期検診を受診することは、異常の早期発見、医療費の削減につながります。人間ドックや健康診断は、オプション検査を増やすことで、お金はかかります。しかし、異常を早期に発見できたならば、発病してから医療機関を受診するよりもお金の負担は少なくなると思います。また、お金よりも大切な健康寿命を延ばすことになるのです。
人間ドックや健康診断は、仕事の合間で受診する人も多いのですが、自分の健康と向き合うためには、仕事を休んで受診するのもおススメです。仕事は大事ですが、健康あっての仕事、プライベートの充実ですから、一年に一度は自分の身体からのメッセージに耳を傾ける日を作るのも良いと思います。

腹部超音波検査なら、胃腸以外の臓器がチェックできる!

腹部超音波検査では、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓、などを描出できます。これらの臓器は、自覚症状が出にくいといわれる内臓でありますから、人間ドックや健康診断の時には、是非受診してもらいたい検診のひとつです。
腹部超音波検査の費用は、実費で5000円程度です。検査時間は10分~20分ぐらいとなります。上半身だけ衣服を脱いで、仰向きで横になります。お腹にジェルを塗って、プローブという検査装置をお腹に当てながら動かして検査します。痛みなどはありません。エックス線検査と異なり、被ばくなどもありませんから、妊婦、幼児でも利用できる検査です。
この検査で調べられる臓器は多岐に及び、肝臓、胆嚢、腎臓、膵臓、脾臓が主な対象となります。その他に、これらの臓器の内部や周囲の血管、リンパ節、胆管なども調べることができます。
特に胆石、早期肝臓がんの発見に有用です。胆石は、本人に自覚症状が全くない状態で、検診で初めて指摘される場合が多く、保有者の約10%は生涯、無症状で経過するともいわれています。
C型肝炎ウイルスが原因となっている慢性肝炎は、肝硬変や肝臓がんに移行する確率が高いので、定期的な検査を行う事で、早期の変化をとらえられます。
腹部超音波検査は、腫瘍などの有無以外に、その大きさや深達度(どのくらいの深さまで進んでいるか)を調べることができます。また、映し出される画像は臓器がリアルタイムで動いて見えます。そのため、検査のための組織を採取したり、臓器の位置を確認しながら治療を行うときにも使われています。
超音波検査のメリットは、腹部以外にも、心臓や乳房、骨盤内などでも活躍している検査方法で、リアルアイムで映像を確認できる上に、検査を受ける人の負担も少ないので、とても優秀な検査方法だといえます。
しかし条件によっては、精密な結果が得られない場合があります。超音波検査のデメリットは、条件によって精度が下がる事です。例えば太った人の場合は超音波の通りが悪く、よく見えないことがあります。また、やせすぎの方も見えにくいことがあります。胃や腸に空気の多い場合やなどでも見えないことが多いようです。その他に、検査技師の技術によっては、病変を見つける精度が下がることがあります。
腹部超音波検査は、検査技師の技術に頼った検査方法のため、固定して撮影するエックス線検査と比べると、結果が技師により変化する可能性を含んでいます。そのことを考慮して、他の検査と併用すると腹部超音波検査の結果の精度は高くなります。
40歳を過ぎたら、腹部超音波検査は積極的に受診することをお勧めします。例えば、脂肪肝などの場合、血液検査で問題が無くても、腹部超音波検査では、肝臓がギラギラしていて明らかに脂肪肝と診断されることがあります。これは、超音波検査をしていたから、得られた結果です。
沈黙の臓器が密着する腹部には、定期的な腹部超音波検査の受診がお勧めです。

乳房検査、マンモグラフィとエコーの使い分け方はコレ!

乳がんを調べるには、マンモグラフィとエコー(乳房超音波検査)があります。
マンモグラフィは、がんを発見できる有効性が認められているので、厚労省のがん検診で推奨されています。エコーも以前に比べれば、有効性が認められていますが、人間ドックや健康診断で推奨されている検診方法は、マンモグラフィが圧倒的に多いです。
マンモグラフィを実費で受診した場合の費用は、5000円程度です。エコーを実費で受診した場合の費用は、3500円程度となります。
マンモグラフィの検査方法は、エックス線装置を使った検査です。乳房を2枚の板で挟んで平たくし撮影します。乳房を強く挟むので、強い痛みを感じる場合があります。エックス線を使いますから、妊娠している人は検査できません。検査時間は5分~10分程度です。
エコーの検査方法は、高い周波数の音波を出して、乳房内部の様子を白黒の画像として描出する検査です。検査用ジェルを胸に塗りますが、特に痛みなどはありません。検査時間は10分~15分程度です。妊娠していても検査が可能です。
マンモグラフィの利点は、しこりとして触れる前の乳がんを発見できると言われています。小さいしこりや、しこりになる前の石灰化を写し出せるので、乳がんの早期発見に威力を発揮します。しかし、乳腺組織が密な若い女性では、画像が全体に白く写ってしまい、病変をみつけにくくなります。
エコーの利点は、乳房の内部の構造を観察しながら、触診では検出できない小さな病変を見つけることができます。しこり(腫瘤)が良性か悪性か調べることができます。良性の乳腺症やしこりのようなものから、乳がんまで早期に発見することが出来ます。
マンモグラフィとエコーは、併用すると結果の精度が上がります。
乳房は乳腺の密度によって4分類されています。日本人では高濃度乳房である人の割合が5割~8割あると言われています。1~2番目に高い高濃度乳房の場合、マンモグラフィの画像は白く写ります。がんも白く写るため、異常が見落とされる可能性があります。
実際、マンモグラフィの結果で「異状なし」であっても、エコ―で「異常あり」となる人がいます。
マンモグラフィ検査を受診した人が「高濃度乳房」であっても、現在は国の規定が無いので、本人への通達はされていません。という事は、高濃度乳房の人のマンモグラフィの結果は、見にくい(見落としやすい)画像で診断されているということですから、正確な診断とは言えません。
厚労省では、今後「高濃度乳房」の女性への通知体制を整備すると発表しました。この、体制が整えば、高濃度乳房の人は、マンモグラフィとエコーを併用するなどの利用方法を、自身で検討することができます。
乳腺の画像診断は、複雑なので、他の臓器に比べて難しいという意見があります。乳房の検査は思い立った時だけやるのではなく、定期的に検査し、過去の画像と見比べることが大切です。気になるしこりは変化の経過をたどることで、見つけられる病変もあるそうです。
例えば、マンモグラフィは毎年検査を受けて、エコーは2年に1回受けるなど、観察するタイミングを変えることで、変化を見つけやすくなります。また、問診には、気になる部分があれば書き込みましょう。その部分を重点的に観察してもらえるので、異常があれば見つかりやすくなります。

まずは、自分の乳房を触ってセルフチェックがとても大切!

乳がんは、早期発見できれは治癒しやすいがんです。早期発見の為には、定期的に検査を受診することが大切ですが、それと併せて、自分の乳房を触っておこなう、セルフチェック(自己検診)がとても有効です。
乳がんは40歳代以上でなりやすいと言われていますが、近頃では30歳代での発病も増加傾向にあります。しかし、国が推奨する乳がん検診は、40歳以上が対象となっていますから、現在、30歳代の人が乳がん検診を受ける機会は少ないのです。また若年層ほど、がんの進行が早いとも言われています。
日頃からセルフチェック(自己検診)することで、自分の乳房の変化を意識することがとても大切です。
セルフチェック(自己検診)は毎月1回、生理が終わってから一週間後ぐらいでチェックするのが良いタイミングです。生理前は乳腺が張りやすいので、しこりの様に感じたり、痛みがある事が多いので、正確な判断ができないことがあります。
閉経後の人は、いつおこなっても構いませんが、例えば毎月1日を「チェックの日」とするなど、日にちを決めて行うとセルフチェックを忘れません。定期的にチェックすることで、ふだんの乳房の状態がわかり、変化に気づきやすくなります。
入浴時のセルフチェックの方法は、指をそろえて、指の腹で静かに軽く押さえながら渦巻き状に、撫でながら、しこりなどの違和感が無いか調べます。せっけんを手に付けると滑りがよくなり、調べやすくなります。
あおむけに寝るセルフチェックの方法は、触診する位置により腕の位置を変えます。
乳房の内側を触診する時は、腕をあげて、指の腹で撫でます。
乳房の外側を触診する時は、腕を自然な位置で下げた状態で、指の腹で撫でます。
わきの下を触診する時は、自然な状態で腕を下げて、指の腹で撫でます。
乳頭を触診する時は、乳頭を軽くつまんで、分泌液などが出ないかを確認します。
目視でチェックする場合は、鏡の前に自然な状態で立ち、両方の乳房に違和感がないかよく観察します。乳房にひきつれ、大きさの違い、ただれなどが無いかを確認します。
セルフチェックで、気になるしこりなどが見つかった場合は、乳腺科を受診しましょう。
しこりと感じたものすべてが、がんではありませんので、過度な心配をせず、落ち着きましょう。しこりの原因には、乳がん,乳腺の良性腫瘍(しゅよう),乳腺症,皮下脂肪のかたまりなどがあります。がん以外のものは、ほとんどが治療の必要はありません。
乳がんは女性特有の病気ですので、婦人科の専門と思われがちですが、乳がんは乳腺科で受診します。医療施設によっては、産婦人科病院の中に、乳腺科を併設しているところもあります。自分の周りに乳腺科を受診できる病院がどこにあるのかを知っておくと良いでしょう。
セルフチェックは、いつでも簡単にできます。そして、自分だからこそ気付ける変化があります。それが、早期発見につながります。定期検診の合間は、セルフチェックで自分の乳房を守りましょう。