動脈硬化を知ることで、メタボリックシンドロームを回避できる

動脈は、全身に酸素や栄養素を運ぶ重要な役割を果たしている血管です。動脈は加齢とともに老化し、血管の弾力性が失われて硬くなったり、動脈内にいろんな物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが悪くなる状態を動脈硬化といいます。
自分の動脈の硬さを調べるにはPWV検査を行います。PWV検査は、仰向けになった状態で、上肢、下肢の血圧を測定して四肢の血管の詰まり、動脈の硬さ(血管年齢)を調べます。検査料金は実費負担で1500円~3000円程度となります。横たわっての血圧検査というだけですので、苦痛もなく検査時間は5分程度です。
動脈硬化の危険因子には、脂質異常症(高脂血症)、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、ストレス、遺伝素因などがあります。そして、これらの危険因子は密接な関係にあり、因子が増えれば増えるほど雪ダルマ式に動脈硬化が進む危険性が高まります。治療や予防には、これらの危険因子を減らすことで、動脈硬化の進みを遅らせることができます。
メタボリックシンドロームは、直訳すると「代謝異常症候群」となります。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧、高血糖、脂質異常のうちいずれか二つ以上を併せ持った状態のことを言います。
動脈硬化とメタボリックシンドロームにも密接な関係があり、メタボリックシンドロームの人は動脈硬化が進むと言われています。しかしながら、メタボリックシンドロームに該当しなくとも、動脈硬化は加齢により進みます。
ですので、PWV検査を定期的に行い動脈硬化の進み具合をチェックすることが望ましいと思います。
動脈硬化は全身の動脈で起こります。とくに起こりやすい部位に脳があります。脳の血管の血流障害を総称して「脳卒中」といいます。めまい、頭痛、耳鳴り、記憶力の低下、短気、痴呆の症状が出やすく、完全に血流が途絶えると脳梗塞に、血管が破れて出血すると脳出血になります。
次に起こりやすい部分が、心臓上にある冠動脈です。動脈硬化によって心臓の血流量が減るため、運動時に胸痛や息苦しさを感じるようになります。これが狭心症です。さらに冠動脈が血栓で完全に詰まった状態になった場合を心筋梗塞といいます。
三つ目に起こりやすい部分が、胸部、腹部の大動脈で、動脈硬化によ大動脈の一部がふくれてこぶのようになったものを大動脈瘤といいます。瘤が破裂して大出血を起こすと、死亡することがあります。
メタボリックシンドロームで無いから、動脈硬化は進んでいないだろう考えるのは、危険だと感じます。直接PWV検査で動脈硬化を確認することが、予防や治療に大いに役に立ちます。身体に負担の無い検査ですし、検査費用もそれほど高額ではないので、人間ドックや健康診断に組み込めば、バランスのとれた健康チェックができると思います。
PWV検査をすることは、メタボリックシンドロームにならない体作りの指針になり、いつまでも内面、外見共に健康的な体でいることが可能になると思います。